インプラント implants
インプラントとは
インプラント治療とは、歯を失った部分を補う義歯治療のひとつです。歯を失った部分の顎の骨に「インプラント体」と呼ばれる人工歯根を埋め込み、その上からセラミックなどの人工歯を装着します。顎の骨に直接自立して固定するためしっかり噛むことができ、お食事や会話も違和感なく行なえます。また、金属製の留め具で固定する部分入れ歯や、隣り合う歯を削って土台にするブリッジと異なり、周囲の健康な歯に負担をかけず、見た目も自然です。このように、天然歯のような機能と見た目を取り戻したい方には、インプラント治療がおすすめです。
インプラントの特徴
| 入れ歯 | ブリッジ | インプラント | |
|---|---|---|---|
 |  |  | |
| 見た目 | 部分入れ歯は金属製の留め具が目立ってしまいます。保険診療なら安価に製作できますが、自由診療で目立たない入れ歯も作れます。 | 保険診療であれば治療費は安いですが、銀色の留め具が目立ちます。自由診療なら目立ちにくい白い歯科素材を使うこともできます。 | 天然歯のような自然な見た目に仕上がります。埋め込んだ人工歯根が噛む時の刺激を顎の骨に伝え、骨が痩せて顔が老けるを防ぎます。 |
| 噛みやすさ | ずれたり痛みが出たりするほか、噛む力が天然歯の約半分しかありません。長く使うと摩耗してくるため、作り直す必要があります。 | 噛む力は入れ歯より強いものの、天然歯には及びません。土台となる歯への負担が大きく、その歯が弱ってくると噛みづらくなります。 | 顎の骨にしっかり固定するため、天然歯と同等の噛む力を出すことができます。義歯がずれたり動いたりすることもありません。 |
| 他の歯への負担 | 部分入れ歯は、金属製の留め具を隣の歯にかけて固定するため、歯への負担が大きく、歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。 | 歯がない部分の両隣の歯を削って土台にするため、健康な歯を削る必要があり、歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。 | 顎の骨に人工歯根を直接埋め込むため、自立した状態でしっかりと固定されています。他の健康な歯に負担がかかることはありません。 |
インプラントのメリット
インプラントは、天然歯のような機能と見た目を再現できるのが最大のメリットです。入れ歯やブリッジのように噛む力が弱まることなく、しっかりと噛むことができます。また、部分入れ歯は金属製の留め具が目立ちますが、インプラントは見た目も自然で、他の歯に負担をかけることもありません。人工歯にセラミックやジルコニアなどの素材を使うと、義歯とわからない自然な仕上がりになります。お手入れも天然歯と歯磨きをするだけで、さらに歯科医院での定期的なメンテナンスを続けることで、半永久的に使用することも可能です。
継続したメンテナンスが大切
インプラントの治療後は、「インプラント歯周炎」という病気が起こりやすくなります。歯周病と同じような病気で、プラーク(歯垢)などの汚れを落としきれずに歯ぐきや歯周組織が炎症を起こします。インプラント部分の炎症は痛みを感じにくく、歯のぐらつきなどの自覚症状も起きにくいため、気づいた頃には重症化していることがあります。インプラント歯周炎を防ぐためには、歯磨きなどの「セルフケア」と、歯科医院で定期的な検診やクリーニングなどの「プロケア」が欠かせません。メンテナンスを継続して受けて、トラブルを防ぎましょう。