コラム COLUMN
「ホワイトバーニッシュ」と「クリアコーティング」
あなたの歯を守るコーティング剤
「ホワイトバーニッシュ」と「クリアコーティング」の違いとは?
私たちの歯は、日々の飲食、歯磨き不足、加齢、ストレスなど
さまざまなダメージにさらされています。
「しみる」「むし歯になりやすい」「矯正中の歯が心配」、、、
そんな悩みに寄り添う手段の一つは、
歯科医院でしか受けられない“プロの予防ケア”です!
中でも注目されている、3M社が提供する 「クリンプロシリーズ」
「ホワイトバーニッシュF」と「クリアコーティング」
2つの製品の違いと使い分けについて、歯科衛生士の視点からわかりやすくご紹介します。
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共通する“クリンプロ”の強みとは?
高濃度のフッ素(フッ化ナトリウム)に加え、
カルシウムやリン酸も一緒に含まれています。
これにより、フッ素単体では実現できなかった「再石灰化促進」や「耐酸性の強化」に大きく寄与します。
さらに3M独自の技術
「fTCP(保護処理トリカルシウムリン酸)」を配合。
これは、カルシウムイオンとリン酸イオンがフッ素とバッティングせずに、
効率的に歯の表層に届くよう工夫されています。
つまり、“歯に必要な3つのミネラル”をバランスよく届けるのです。
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「ホワイト バーニッシュF」
歯の表面に塗って硬化する「ワニス(樹脂系塗布剤)」タイプで、
テクスチャーは、粘着性が強く、少しザラつきはありますが、
しっかり歯にくっついて流れません。
✔ 特徴
・5%フッ化ナトリウム(22,600ppm)の超高濃度
・24時間にわたり徐放性(じわじわ成分が放出)
・知覚過敏・露出根面・初期むし歯・酸蝕症などに対応
・象牙細管封鎖作用(しみる症状に効果的)
ホワイトバーニッシュFは、白色で歯面に密着する保護膜を形成します。
とくに「冷たいものがしみる」「歯ぐきが下がって根が露出してきた」「矯正中で歯の脱灰が心配」など、症状のある方や初期むし歯がある方への“治療的予防”に向いています。
歯科医院で塗布した後は、極力約4時間うがい・飲食を避けたほうが効果が得やすいです。
そのあいだに有効成分がしっかりと働き、歯を守ってくれます。
時間が経ちましたら、付いている材料を歯ブラシで除去すればOKです。
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「クリアコーティング」
こちらは、透明で目立たない“液状コーティング”です。
ホワイトバーニッシュFと比べて低濃度(約0.9% NaF、5,000ppm)ですが、
レジンモノマーが配合されているため、しっかりコーティングされ、レジンから最大7日間ゆっくりフッ素が放出されます。
日常的なケアにプラスαしたり、むし歯のリスクが高い方の“予防補強”に優れています。
✔ 特徴
・透明なコートで審美性を損なわない
・最大1週間ほど効果が持続
・矯正装置周囲・萌出直後の歯・乳歯の保護に◎
・高齢者の根面う蝕予防にもおすすめ
塗布後の違和感も少なく、患者さんからの満足度も高いのが特徴です。
とくに、お子様や見た目を気にする方にもお勧めです。
どちらを選べばいいか?
知覚過敏症状がある:バーニッシュF
根面が露出している:バーニッシュF
矯正装置がついてる:どちらもOK(初期はクリア、脱灰傾向があればバーニッシュF
乳歯や生えたての永久歯:クリアコーティング
審美重視、お仕事中の来院:クリアコーティング
フッ素塗布が初めて:クリアコーティング
治療した歯が多い:バーニッシュF
歯科医院でのケアは「予防」の最前線
むし歯や知覚過敏は、痛くなってから治療するのではなく、
「予防していく」時代です。
この2つの製品は、まさに“予防医療”の柱となるものです。
定期的に塗布を受けることで、予防効果を高めます。
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「しみる」「むし歯になりやすい」「歯の見た目が気になる」――
そんな時代だからこそ、プロによるコーティングケアは、
日々のブラッシングや歯科検診と並ぶ『第3の予防』とも言えるでしょう。
・症状があるなら:ホワイト バーニッシュF
・予防や審美性を重視するなら:クリアコーティング
あなたのライフスタイルやお口の状態に合わせて、
ぴったりのケアを選んでみませんか?
気になる方は、お気軽に歯科医院でご相談ください。