コラム COLUMN
唾液の役割
唾液は、生きていく上で必要な分泌液です‼️
唾液には1mlあたり、1億個もの細菌が含まれていると言われております。
しかし唾液そのものには、身体を健康に保つ重要な作用がたくさんあるのです。
唾液は耳下腺・顎下腺・舌下腺の左右3対と、いくつかの小唾液腺から分泌されています。
健康な成人で一日1.0~1.5リットル分泌されますが、個人差が大きく、季節・年齢・性別・身体状況・服用薬剤などによっても変動します。
唾液分泌には、刺激などなくても分泌される安静時唾液と食事などの刺激により分泌される刺激唾液があり、常に口腔内を湿潤状態にしています。
唾液には以下の作用があります。
①粘膜保護
▶︎ 唾液が歯や口内粘膜を覆うことで、細菌による刺激や感染、歯の摩耗・脱灰(歯のエナメル質の溶解)を防いでくれます。
②自浄
▶︎ お口の中の汚れや細菌を、唾液が洗い流し、清潔に保ちます。
③水分平衡
▶︎口腔内の水分量を調節します。
④潤滑
▶︎食べ物が喉を通しやすくしたり、発声をなめらかにします。
⑤緩衝
▶︎ 酸性に傾いたお口の中を中性に戻します。
⑥抗菌
▶︎ 唾液中の酵素・抗菌物質、分泌型免疫グロブリンA(IgA)などの抗菌因子が抗菌力を示します。
⑦消化
▶︎ ごはんやパンなどのデンプン質を麦芽糖に変え、体内に糖を吸収しやすくしてくれます。
⑧組織修復
▶︎傷の治癒を促します。
⑨再石灰化
▶︎ むし歯菌など酸で溶かされた歯のエナメル質表面のハイドロキシアパタイトが、唾液などの働きで再び歯の表面に形成されます。
などなど、口腔のみならず身体が正常な機能を発揮するため無くてはなりません!
(病気や加齢などにより)唾液の分泌が低下すると、以下の症状が起きやすくなります。
❶嚥下障害
❷咀嚼障害
❸発音障害
❹味覚障害
❺口腔乾燥(dry mouth)
(自浄作用が低下すると、口腔内に食物残渣などが長期間残留するため)
❼舌や粘膜の障害・義歯の不適合・舌苔の増加・味覚異常・嚥下障害など
(粘膜保護作用も低下するため)
❽要介護高齢者では全身への影響
など
*唾液分泌の低下は、不安・緊張・シェーグレン症候群・唾液腺障害・脱水・肝硬変・糖尿病などや服用薬剤(抗精神薬や降圧剤など)の副作用としておこります。
*大量飲酒により糖尿病や肝硬変などの合併症に罹るとその病状から唾液分泌が低下します。また、アルコールの利尿作用や食事量・水分量の不足により脱水が起こり、同様に唾液分泌が低下します。
▶︎そのため口腔環境が悪化する恐れがあります。
万人に言えることですが、唾液分泌は加齢に伴い減少していきます。
しかし、唾液マッサージなどで分泌を促すこともできます!
詳しくは、歯科医師または歯科衛生士へご相談ください。