コラム COLUMN
洗口液が糖尿病に効果あり?!
口の中の細菌が全身の病気に関係していることが徐々に解明されてきています。
2024年2月に大阪大学により、2型糖尿病患者がクロルヘキシジン配合洗口液(商品名コンクールF)を使うことで、口腔内の歯周病菌が減少し、血糖コントロール状態が改善する可能性について発表しました。
糖尿病の合併症の一つに歯周病があり、相互に悪影響を及ぼすことは事実としてあります。
歯周病の改善において、クロルヘキシジン配合の洗口剤を用いた洗口を行うことで、歯周病菌を減少させるという研究報告も以前からあります。
一方で、糖尿病患者がクロルヘキシジン配合の洗口剤を用いることによって、歯周病や糖尿病の病状にどのような影響を及ぼすかは明らかにされていませんでした。
今回の研究の検証内容は、
大阪府内の糖尿病クリニックを受診中の2型糖尿病患者173人に対して、半年間は水道水で1日1〜3回、その後半年間はコンクールFを用いて1日1〜3回洗口を行うというもの。
結果
レッドコンプレックスとは
歯周病の原因御三家の細菌のこと
①タンネレラ・フォーサイシア ②トレポネーマ・デンティコーラ ③ポルフィロモナス・ジンジバリス
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、
赤血球の中にある色素であるヘモグロビンのうち、どのくらいの割合のものが糖と結合しているかを示す値
身近な歯のケア用品を使って糖尿病にアプローチできる可能性を初めて示唆した論文であり、
「お口のセルフケア」が糖尿病の改善に関係していることを示している研究結果になります。
洗口剤は生活に取り入れやすいですし、継続しやすいアイテムです。
糖尿病の方には朗報ですね!
今後さらに研究が進み、歯科からのアプローチが全身疾患に対して功を奏す可能性が広がっていくことを期待したいですね。