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天然歯とインプラントの炎症に違いがある理由はなんですか?

 

 

 

 

口腔機能回復治療の一環として、インプラント治療が選択されることが多くなりました。

 

 

天然歯とインプラントがあるお口の中を長期にわたって両者とも維持していくためには、

天然歯の歯周組織とインプラント周囲組織の共通点や相違点をご理解いただくことが重要です。

 

 

 

 

 

『天然歯に比較し

インプラント周囲組織には、強度の炎症の発現を生じていると考えられています。』

 

 

 

左←天然歯と歯周組織             右→インプラント周囲組織

 

 

 

 

 

 

これまでインプラント周囲組織のプラーク形成の結果生じた炎症性病変については、天然歯とインプラント周囲組織の差異を含めて多くの研究が行われ、炎症の広がりかたが歯周組織とインプラント周囲組織では異なることが報告されました。

 

 

共通点

 

歯周組織とインプラント周囲組織でのポケット内の細菌叢🦠は類似しており

グラム陰性嫌気性菌種が優位であることが観察されました。

 

 

 

相違点

 

歯周組織では病変は常に約1mm幅の非炎症性の結合組織によって歯槽骨から分離されていますが、

 

インプラント周囲組織の病変では多くの場合、顎骨まで広がっていたとされています。

 

 

歯周炎は

『セメント質-歯根膜-固有歯槽骨』3ユニットの破壊

 

インプラント周囲炎は

『インプラント-骨境界面』の破壊

 

歯周炎に比較してインプラント周囲炎の進行が早いことが臨床的に観察されています。

 

 

 

 

 

インプラント周囲組織に生じる炎症病変には、

インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎があります。

 

 

インプラント周囲組織がプラークと長時間接触すると、

インプラント周囲粘膜炎からインプラント周囲炎 への移行が継続的に進行すると考えられます。

 

 

 

 

 

 

インプラント体周囲に歯根膜存在せず血流量が乏しいこと、また咬合緩衝能がないことから、

細菌感染や過重負担が原因でインプラント顎骨界面の破壊が起こると、

緩徐ではあるものの骨吸収は持続的に進行していくので、インプラント周囲炎と周囲炎とは異なる病態を示す、とされています。

 

 

 

インプラント周囲の形態も清掃が難しいですし一度住み着いた嫌気性菌を取り除くのは大変な作業なので、このような状況にしない必要があります。

 

 

 

定期的なメインテナンスの継続が必要ですね。