コラム COLUMN
AIの普及で歯科衛生士の仕事は無くなるのか?
最近何かと話題のサンフランシスコのOpenAI社が生み出した最新のAIチャットボット。ChatGPTは「オリジナルのテキストを生成することができる人工知能ツール」ですが、歯科のメンテナンスの必要性を知るきっかけになる質問で対決してみました。
AI vs. 歯科衛生士
AIに聞いてみた質問はこちら。
〜歯周病治療後に患者がメインテナンス治療に参加しなかった場合どの様な結果が得られるか?〜
先攻AI
チャットGPTに聞いてみたらこの様な答えが返ってきました。
『歯周病は、その進行と再発を防ぐために継続的なメンテナンスと管理が必要な慢性疾患です。 歯茎や歯の健康を維持するためには、スケーリングやルートプレーニング、歯周外科手術など、歯周治療後のメンテナンス治療が欠かせません。
患者が歯周治療後に維持治療に参加しない場合、いくつかの結果が生じる可能性があります。
①歯周病の進行: 定期的なメンテナンス治療を行わないと、歯周病が進行し、歯茎や歯にさらなる損傷を与える可能性があります。 これは、骨の喪失、歯の喪失、およびその他の合併症につながる可能性があります。
②歯周病の再発:歯周病の治療に成功しても、継続的なメンテナンス治療を行わないと、歯周病が再発する可能性があります。 これは、歯周病の原因となる細菌が口の中ですぐに再増殖する可能性があるためです.
③口腔疾患の合併症: 歯周病は、心臓病、糖尿病、脳卒中など、いくつかの全身疾患に関連しています。 適切な維持療法を行わないと、これらの合併症を発症するリスクが高まる可能性があります。
④歯科費用の増加: メンテナンス治療がなければ、より広範な歯周治療が必要になる可能性があり、定期的なメンテナンスの予約よりも費用がかかる可能性があります。
要約すると、歯周治療後の維持治療への参加は、歯周病の進行と再発を防ぎ、口腔および全身の健康を維持するために重要です。』
とても優秀ですね。ほぼ完璧な答えに見えます。
では、歯科衛生士が考える答えはどの様なものでしょうか。
vs 歯科衛生士
「歯科衛生士臨床のすべて ー経験から学ぶ臨床ー 」は有名な教科書ですが、メインテナンスに関してこのように書かれています。
ー Nymanら(1977)の研究は、重度の歯周疾患で歯周外科手術を行ってもメインテナンスを行わないと歯周炎の再発を生じ、疾患に対して感受性が高い場合は歯周病の進行が自然に進行する場合よりもはるかに速いことを示唆している。
ー さらに、AxelssonとLindhe(1981 a)は、〜中略〜 積極的治療の3および6年後に歯周炎の再発がみられた。
ー また、Kerrら(1981)は 〜中略〜 5年後に45%の患者に完全な再感染がみられた。
『よく練られた、綿密に行われるメインテナンス治療に参加しなければ、歯周炎に対して感受性の高い患者は再感染を起こし、歯周病が進行する危険性が高くなる。
歯周病の治療または補綴による機能障害の改善やインプラントによる治療を受けた全ての患者は、治療後の歯周組織を健康で長期的に維持するために、個人に合わせた適切な定期的なリコールが必要である。』
先人が多くの有益な研究を行い、それらの結果に基づいて今の医療はある事を歯科衛生士は知っています。この様な情報を必要な時に、分かりやすく患者様にお伝えするのが歯科衛生士の役目なのです。
おまけでLINE、AIチャットくんにもきいてみました。
AI vs 歯科衛生士
『例えば、AIを使用した口腔内の画像認識技術は、歯科衛生士が患者の口内の状態をより正確に評価するために役立ちます。また、AIを使用したデータ解析技術は、歯科衛生士が患者の口腔内の健康状態を追跡し、歯の予防的なケアを提供するために役立ちます。
AIによって、歯科衛生士の業務が自動化され、生産性が向上し、診断と治療が早く正確に行われることが期待されます。 AIによって、歯科衛生士はより優れた医療サービスを提供することができます。』
どうなりたいでしょう。
沢山の情報を得て選ぶのは患者様です。
情報に辿り着く迄には、今後どうなりたくて質問しているのか?
!!!
AIと戦っている場合ではなかったようです。
『歯周病原菌』 vs. 『患者様とAIと歯科衛生士』
『患者様とAIと歯科衛生士』
そう!タッグを組んで戦う相手は
歯周病原菌 と言ったところでしょうか。
お口の中と身体の健康維持のため、そろそろ
定期検診の時期ではないでしょうか?